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2021/12/05

■【放射能汚染PCB】(2021.12.4)要望書▶「地方自治を考える市民の会」代表 深町ひろみさま 「提出福島県汚染廃棄物対策地域からの『高濃度 PCB 廃棄物』の室蘭市内への持ち込み拒否を求める要望」

 2021 年 12 月 4 日


室蘭市長 青山 剛 様


「地方自治を考える市民の会」


福島県汚染廃棄物対策地域からの「高濃度 PCB 廃棄物」の室蘭市内への持ち込み拒否を求める要望


私たちは室蘭市民ではありませんが、貴市への福島県汚染廃棄物対策地域からの高濃度 PCB 廃棄物の持ち込みについて、同じ北海道民として見過ごすことができず、以下の理由で強く反対いたします。

貴職には、第一に室蘭市民の安全のため、また私たちのかけがえのないふるさと北海道を守るため、また、それをできる限り汚さずに子どもたちに手渡すため、国に対しはっきりと、持ち込み拒否の姿勢を打ち出してくださるよう要望します。


理由

PCB という物質が生み出されてしまっている以上、今後の環境漏えいを防ぐため、分解処理自体はしなければならないと理解しています。ですが、室蘭市内にある JESCO の PCB 処理施設は、放射能汚染された廃棄物の処理を前提としたものではないと伺っています。

また、放射性物質で汚染されたものは、本来発生場所から動かさず管理するのが原則のはずです。

PCB の分解自体、工程の安全性を強く求められるものであり、処理中の火災等が報道されている古い施設で実施し続けることは、住民と地域環境の安全を望む観点から、不安と言わざるを得ません。福島県内の汚染廃棄物対策地域で管理されていた「高濃度 PCB 廃棄物」は本来、長距離の移送をせず、現地において、放射性物質の拡散を防ぐ面からも、PCB 自体の安全な分解の観点からも最新の設備を建設し、そこで処理を行うべきです。


環境省は「放射線管理区域から持ち出せる基準(4 万ベクレル/平方メートル)を守る」と言っていますが、持ち込まれる廃棄物は形状が定かでないものが多く、この基準だけに頼って安全が確保できるとは考えられません。

また、一度事業が始まってしまえば、日々の業務の中で取り扱いが粗雑になり、汚染拡散の歯止めが利かなくなることも強く危惧されます。地理的により近い東京の施設でなく、室蘭での処理を決定した時点で、国は安全を完全には確保できないことを暗に認めているのです。

放射線被曝に安全量がないことはICRPでさえ認めている事実であり、他地域で発生した放射性物質による汚染物は、決して貴市内に入れるべきではありません。

東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、原子力発電とその関連事業について慌てて学ぶ中で、私たちは、過去の誰かがあるとき決めてしまい、始めてしまったことによって、将来の人々が避けようのない巨大な困難と負担を強いられるという構図が、これらの事業の本質であると知りました。原発の稼働によって生まれた厖大な放射性物質という、その困難と負担は、「始めてしまった人々」の責任回避の営みの中でことあるごとに矮小化されています。

貴市への福島県内廃棄物の持ち込みも、その矮小化と誤魔化しの一環として理解されます。ですが、多くの人々の目に、それはもう誤魔化しようがないのではないでしょうか。

起こってしまったことは変えられません。ですが私たちは今室蘭、そして北海道に住まう私たち自身と子どもたちのこれからにとって、重要な選択をする権利と責任を有しています。放射性物質による、現時点では存在しない危険が新たに降りかかることは、防がなければなりません。

貴職には、その責任を間に合うように全うしていただくよう強く求めます。何より室蘭市民の、そして私たち道民の安全を守り、今の北海道を汚さずに子どもたちに引き継ぐため、汚染廃棄物対策地域からの PCB 廃棄物は受け入れないでください。


書面責任者:地方自治を考える市民の会代表 深町ひろみ

札幌市西区在住

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