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2021年12月14日
北海道知事 鈴木直道 殿
原発問題全道連絡会常任理事会
国(環境省)は、2011年の東電福島第一原発事故によって発生した、放射性物質に汚染
されたPCB廃棄物を、室蘭市内の中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)北海道事業所
に搬入し、処理することを計画しています。
私たちはこの計画を以下の理由から反対を表明し、貴職にこの計画を容認しないことを
求めます。
第一に、東電福島第一原発事故によって発生した、放射性物質に汚染された放射性廃棄
物は環境保全上現地から持ち出さないことが原則であり、その責任を国が果たすべきで、
北海道知事は北海道への持ち込みを認めるべきではないこと。第二に、2001年に施行され
たPCB特措法に基づき、JESCOにおいて従来処理がされてきたPCB廃棄物とは違い、「放射
性物質汚染対処特措法」を使った放射性物質に汚染されたPCB廃棄物であり、これまでと
は違った新たな問題を含んでいます。にもかかわらず、室蘭市内でのPCB廃棄物処理の広
域受け入れ時に行われた住民や周辺地域での説明会と比べると住民の意向把握や説明が格
段に不十分であり住民合意がないこと。第三に、放射線被ばくに安全量はありません。放
射性物質に汚染されたPCB廃棄物の処理についての実績はなく安全に処理される保障はあ
りません。運搬や処理の過程での被ばくの危険性についても住民や従業員への不安は解消
されていないこと。第四に、国による住民合意・地方自治無視の強引なやり方は、北海道
における放射性廃棄物処分問題で、幌延深地層研究センターや寿都町・神恵内村での最終
処分場選定にむけた文献調査で深刻な住民分断を引き起こしており、さらに室蘭での住民
分断を許すことが出来ないこと。第五に、北海道への持ち込みとそれに伴う事故は自然環
境、食と農、観光が基幹産業の北海道に深刻な影響を与え兼ねず、室蘭市だけの問題に留
まりません。北海道には特定放射性廃棄物の持込みは「受け入れ難い」とする道条例があ
り、道内自治体でも核ごみ持ち込み拒否条例や意見書・決議が広がっていること。
以上の点から、東電福島第一原発事故によって発生した、放射性物質に汚染されたPCB
廃棄物の室蘭市内の中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)北海道事業所への搬入受
け入れ計画を認めず、ただちに撤回するよう国に要求することを求めます。
以上
原発問題全道連絡会
住所:060-0909 札幌市東区北9条東1丁目2-22
道労連内 ℡:011-777-1060 fax :011-777-1061
e-mail:genpaturen@gmail.com
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