環境省主体の協議体「室蘭市高濃度PCB処理事業経済連携会議」発足
結成:2018年11月/ 略称:廃炉金属ウォッチャーズ/ 内容:日鋼が請け負う可能性のある国の事業(廃炉金属の受け入れ)と福島PCB問題、PCBについて。
2025/03/28
2025/03/23
■【PCB】ウォッチャーズ通信NO.82(25.3.22)「北海道のパブコメ回答に違和感~化学者にも聞きました」
本年 2 月、「北海道ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画の変更に対する道民の意見募集ついて(素案)」という、道庁主催の地味なパブリックコメントが行われました。↓
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/jss/recycle_2/pcb/keikaku-new/public-comment.html
「意見募集結果」も公表されています。→ 道民意見提出手続に関する実施要領
私もパブコメで指摘した箇所ですが、道庁(環境保全局)の回答に違和感がありました。本通信では、このことに焦点を絞って考えたいと思います。
下の表が違和感のある部分です。素案には「処理方式は焼却ではなく化学処理方式とする」と記載されています。それで、プラズマ分解はしないのかを問いました。回答は「プラズマ分解は化学処理に分類される」とのことですが、これはずいぶん乱暴な話だと感じました。
■背景
室蘭にある JESCO 北海道の「PCB 処理施設」は、2008 年に操業を開始した当初施設と 2013年操業開始の増設施設の 2 つがあります。当初施設では、脱塩素化分解(化学処理)によって PCBを処理します。増設施設が必要とされたのは、蛍光灯に使われている安定器など小さな機器に装填されている PCB は取り出すことが困難なため、機器を丸ごと処分できるプラズマ分解の施設が必要とされたからです。
*プラズマ分解施設は北九州市と室蘭市の 2 か所に設置された
■化学の専門家に聞いてみた
この違和感を晴らすため、化学の専門家である橋本忠雄・室蘭工業大学名誉教授にお話を伺いました。(以下、橋本→ハ、柳田→ヤ)
ヤ「パブコメ結果で道庁が『プラズマ分解は化学処理に分類される』と回答しています。違和感があるのですが、先生はどう思われますか?」
ハ「道庁は素案で『PCB 廃棄物の処理は、これまで通り脱塩化分解方式(当初施設)とプラズマ分解方式(増設施設)で行う』と書けばよかったのです。増設施設のことを書いていないので、パブコメでなぜ増設施設は使わないのか?という疑問が出るのは当然です。素直に『ご指摘ありがとうございました。修正します』とすればよかっただけの話だと思いますが。」
ヤ「なるほど。当初施設で行われている脱塩素化分解は、PCB にアルカリ剤を加えて化学反応を起こさせるので化学処理ですね。増設施設のプラズマ分解はどうなのでしょうか?」
ハ「PCB は化学物質です。化学物質を無害化あるいは分解するわけですから、あらゆる場合が化学処理です。プラズマ分解も、道庁の言うように化学処理と言ってもよいでしょう。しかしそれを言うなら、『焼却処理ではなく化学処理で行う』というのがおかしくなります。焼却処理も化学処理です。何ですかね、この文章は。」
ヤ「パブコメの対象になった“北海道 PCB 処理計画素案”には、確かに『焼却処理ではなく化学処理を行う』とあります。しかし、燃焼(=焼却)とは物質が酸素と結びつく酸化反応ですから、道庁の論理だと焼却も化学処理になってしまうのですね。これはおおいなる矛盾です。」
ハ「 はい、その通りです。化学処理の技術に注目して分類すれば焼却方式、脱塩素化方式、プラズマ分解方式、溶融分解方式、超臨界反応方式等に分類できます。2001 年~2004 年頃、室蘭では数十回市民説明会が開かれ議論したのはその技術方式や処理の安全性です。その時は『焼却処理ではなく化学処理を行う』という説明は意味がありました。
あれから 20 年以上経って、新しい“北海道 PCB 処理計画素案”に『焼却処理ではなく化学処理を行う』とわざわざ入れるのは変ですし、パブコメの質問にプラズマ処理も化学処理だという回答はもっと駄目ですね。ひょっとすると新しい基本計画素案を作成するときに、道庁は昔の基本計画の処理方式の部分をそのままコピペしたのではないでしょうか。私も新しい素案を読みましたが、それ以外にも昔の基本計画のまま残っていると感じるところがありました。
ヤ「下に福岡県の「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画(令和5年2月改訂版)」があります。
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/665815_61568440_misc.pdf
柳田(2025/3/22)
2025/01/05
■【PCB】NHK(25.1.4)「室蘭の施設 PCB廃棄物 6月から搬入 年内に処理終了の予定」
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20250104/7000072386.html
室蘭の施設 PCB廃棄物6月から搬入 年内に処理終了の予定
2024/12/03
■【PCB】室民(24.11.24)「環境数値『問題なし』 進ちょく状況など説明、室蘭でPCB事業報告会」
★肝心なひと言が書かれていなかったので追記と感想
質疑応答の例として、2例出ていましたが
●「事業場排水路先の濃度が明らかに高く、JESCO由来のものはないと断定するのは納得できることではない」
→姉崎さん「『断定』
*素直にこの言葉を発した姉崎氏は、
●米軍基地内PCBについての返答 関川市生活環境部長「言うまでもないこと」
→「受入れ条件には『安全性を最優先に行う』という、
と指摘しました。
2024/11/26
2024/11/21
2024/11/13
■【放射能汚染土問題】i女の新聞(24.10.10)「汚染土再生利用 粉じんの舞い上がりによる被ばくを無視」
室蘭にも中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)という会社がありますので
将来 汚染土 が室蘭に来ないとも言えないと感じています。
参考になりそうな記事なので転載します。
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2024/08/31
2024/08/23
2024/07/14
2024/06/17
■【西日本PCB】室蘭市HPより 記者会見記録 第2回市議会定例会提出予定議案について(PCBの部分)
https://www.city.muroran.lg.jp/main/org1400/kaiken060604.html
室蘭市 記者会見記録
1.第2回市議会定例会提出予定議案について
本日は、6月10日に開催を予定しております、市議会定例会にあたっての提出予定議案、最近の市の話題についてお話をさせていただきたいと思います。
国からの西日本の高度のPCB廃棄物の受入れ要請についてでございます。先日、環境省から国定政務官が来蘭をされまして、市議会、北海道庁と意見交換を実施したところであります。
昨年12月21日に要請を受けて以降、様々な機会、手法により市民の皆さんからご意見を伺ってまいりましたが、これまで大きな事故もなく安全に処理がなされてきたことで、安全性や透明性に関しての信頼は高いと感じております。一方で、過去に期限延長やエリア拡大があり、期限が延長されるのではないかといったような国に対する懸念による意見が多く見られまして、これらのご意見につきましては、私の方から国定政務官に昨日直接お伝えをさせていただいたところであります。
この度の受入要請の判断については、不安や懸念のある市民のご意見を受け止めつつも、本市が積極的に取り組んできた環境貢献の理念、JESCO北海道処理事業所でのこれまでの処理実績の安全性、事業スキームの合理性なども考えますと、受入れの妥当性はあると考えますが、これまでの受入条件の履行状況も重要な要素となってございます。
この点につきましては政務官からも、「処理事業の安全対策や公共施設の省エネ、環境学習施設整備等は実施したところでございます。施設有効活用の調査検討では、活用は難しいが、資源循環ビジネスの創出にしっかり取り組むなど、約束事項についても引き続き果たしていく」、といったような言葉もいただいたところでございます。
また、今回の要請は新たな要請として本市としても考えておりまして、仮に私ども室蘭市、北海道が受け入れるとなれば、当然ながら、新たな条件を示させていただくこととなりまして、それらに対してどのような対応をいただけるかも、今後の判断における材料となっております。
いずれにいたしましても、それを踏まえまして、最終的には市議会の議論も踏まえ、道と協議の上、判断をしてまいりたいと考えております。
2.質疑
(記者)
PCBの関連で、今の話にあった新たな条件はどのようなものを想定しているのか。また、5月末までにコンデンサーが約90台、安定器が約3トン、西日本エリアで発見されているというが、量について市長としての率直な受け止めは。
(市長)
最優先すべきは、市民の安全と環境保全を保障する適切な処理。情報の透明性、市民への対応などが重要。具体的なところは今の段階では固まっておらず、議会の論議も踏まえながら考えたい。PCBの量については、当初と比べると処理が進み、だいぶ少量になってきていると受け止めている。
(記者)
西日本のPCBの受け入れ判断について、議会との議論を踏まえて判断するというが、その議会との討論とは6月の議会で行われるということでいいのか。
(市長)
来週から定例議会が開会することから、そこで様々な議論をいただくということ。
(記者)
PCB受け入れの関係について、先ほど、受入れについての妥当性があるとの認識を市長は示したが、実際今後、議会との議論を経て正式に受け入れ可否を表明する時期はいつごろを想定しているのか。昨日の意見交換会の中で、出席議員が、議会としても要望書をまとめ提出したい、という話があった。こうした要望の公表の時期と受け入れ可否判断時期はリンクするのか。
(市長)
いたずらに判断を遅くすることはないが、議会論議を踏まえた上で、本市はもちろん、道庁とも相談した上で判断したい。議会の要望の関係については、どのようなスケジュール感、タイミングで、というところはまだ伺っていないが、政務官の話を市、市議会、北海道が一緒に受けたところであり、全然違う時期に判断を出すというのも違うと思っている。
(記者)
昨日市長から、「市民はわりと冷静に要請について受け止めている」という話があったが、ただ一方で環境省主催の2月の説明会、5月の市の地域説明会などの市民とのやり取りは、慎重論というか反対論というか、国に対する不信感が非常に目立つ結果だったように思う。市長が言う「冷静に受け止めている」という根拠、その背景はどこにあるのか。
(市長)
意見交換会や説明会の中では、厳しいやり取りがあった一方で、理解を示す声もあったと捉えている。それ以外の場面でも、関係する団体の方や、日常的に話す機会のある市民の方と、様々な場面でざっくばらんに話すことがあるが、例えば、PCB処理に室蘭の技術が認められているとの認識を示していただいたり、環境貢献はいいことじゃないか、あるいは、これまでも大きな事故なくリスクマネジメントをして十数年間やってきたのであり特に心配ない、というような意見を伺うこともある。いずれにしても、総合的な判断をした中で、まさにこの6月議会を中心として、どのように答えるのか、というところになると思う。
(記者)
条件面について、平成26年に示した中で、一つだけ、建物の有効活用が環境省側からすると厳しいという認識が示されたが、今回の新たな条件提示の場合は、その部分は削除して別個考えるということか。
(市長)
私も、平成26年当時の環境大臣に受入れ条件を付して回答をした場面を鮮明に覚えている。当時は、プラズマ溶融炉という極めて高い技術、クオリティの高い設備を有することから、高濃度PCB処理事業終了後も活用することで、様々な環境貢献ができるのではないかという考え方のもと、プラズマ溶融炉あるいは施設の活用について示させていただいた。
この間、環境省でも活用の可能性について様々な角度から検討していただいたが、その結果難しいという判断であり、それは私どもとしても理解している。ただ、今回も、高濃度PCB廃棄物処理事業が終わった後も、そこで培われてきた技術を地域の今後の産業にも、と環境省に話しており、昨日も話があったが、例えば、資源循環型産業の誘致などにつなげて、社会課題に我がまちとして引き続き貢献できるような産業振興、産業誘致を、というところを話させていただいている。
(記者)
JESCO北海道事業所が室蘭に立地されてから、どれくらいの財政支援を受けたと言えるのか。一般市民にはあまり見えないように思うが、どれくらいの国の予算が投入されたという捉え方が出来るのか。
(市長)
よくお尋ねいただくところだが、数値化が難しく明確にお答えできない部分。PCB処理事業を担ってきた中で大きかったのは、環境に対する市民意識の醸成が高まったところ。その背景には、例えば白鳥大橋のLED化のように、知らず知らずのうちに環境貢献につながっていて、それが今例えば白鳥大橋のライトアップのような観光資源にもつながっており、また環境科学館の整備についても、色々と予算をいただいている中で、箱ものにいくら入ったのか等を気にする方もいるが、私は、学びの場において、こどもたち、あるいは最近では大人の科学教室があるように、市民の環境に対する、あるいはものづくりに対する意識の醸成があることが、今後のまちづくりにつながると思っている。実際に雇用されている方も、二百数十名の方が十数年間おられ、なかなか、全てを数値化することは難しいが、ただ、果たしている役割はいろんな意味で大きいと感じている。
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