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室蘭市 記者会見記録
1.第2回市議会定例会提出予定議案について
本日は、6月10日に開催を予定しております、市議会定例会にあたっての提出予定議案、最近の市の話題についてお話をさせていただきたいと思います。
国からの西日本の高度のPCB廃棄物の受入れ要請についてでございます。先日、環境省から国定政務官が来蘭をされまして、市議会、北海道庁と意見交換を実施したところであります。
昨年12月21日に要請を受けて以降、様々な機会、手法により市民の皆さんからご意見を伺ってまいりましたが、これまで大きな事故もなく安全に処理がなされてきたことで、安全性や透明性に関しての信頼は高いと感じております。一方で、過去に期限延長やエリア拡大があり、期限が延長されるのではないかといったような国に対する懸念による意見が多く見られまして、これらのご意見につきましては、私の方から国定政務官に昨日直接お伝えをさせていただいたところであります。
この度の受入要請の判断については、不安や懸念のある市民のご意見を受け止めつつも、本市が積極的に取り組んできた環境貢献の理念、JESCO北海道処理事業所でのこれまでの処理実績の安全性、事業スキームの合理性なども考えますと、受入れの妥当性はあると考えますが、これまでの受入条件の履行状況も重要な要素となってございます。
この点につきましては政務官からも、「処理事業の安全対策や公共施設の省エネ、環境学習施設整備等は実施したところでございます。施設有効活用の調査検討では、活用は難しいが、資源循環ビジネスの創出にしっかり取り組むなど、約束事項についても引き続き果たしていく」、といったような言葉もいただいたところでございます。
また、今回の要請は新たな要請として本市としても考えておりまして、仮に私ども室蘭市、北海道が受け入れるとなれば、当然ながら、新たな条件を示させていただくこととなりまして、それらに対してどのような対応をいただけるかも、今後の判断における材料となっております。
いずれにいたしましても、それを踏まえまして、最終的には市議会の議論も踏まえ、道と協議の上、判断をしてまいりたいと考えております。
2.質疑
(記者)
PCBの関連で、今の話にあった新たな条件はどのようなものを想定しているのか。また、5月末までにコンデンサーが約90台、安定器が約3トン、西日本エリアで発見されているというが、量について市長としての率直な受け止めは。
(市長)
最優先すべきは、市民の安全と環境保全を保障する適切な処理。情報の透明性、市民への対応などが重要。具体的なところは今の段階では固まっておらず、議会の論議も踏まえながら考えたい。PCBの量については、当初と比べると処理が進み、だいぶ少量になってきていると受け止めている。
(記者)
西日本のPCBの受け入れ判断について、議会との議論を踏まえて判断するというが、その議会との討論とは6月の議会で行われるということでいいのか。
(市長)
来週から定例議会が開会することから、そこで様々な議論をいただくということ。
(記者)
PCB受け入れの関係について、先ほど、受入れについての妥当性があるとの認識を市長は示したが、実際今後、議会との議論を経て正式に受け入れ可否を表明する時期はいつごろを想定しているのか。昨日の意見交換会の中で、出席議員が、議会としても要望書をまとめ提出したい、という話があった。こうした要望の公表の時期と受け入れ可否判断時期はリンクするのか。
(市長)
いたずらに判断を遅くすることはないが、議会論議を踏まえた上で、本市はもちろん、道庁とも相談した上で判断したい。議会の要望の関係については、どのようなスケジュール感、タイミングで、というところはまだ伺っていないが、政務官の話を市、市議会、北海道が一緒に受けたところであり、全然違う時期に判断を出すというのも違うと思っている。
(記者)
昨日市長から、「市民はわりと冷静に要請について受け止めている」という話があったが、ただ一方で環境省主催の2月の説明会、5月の市の地域説明会などの市民とのやり取りは、慎重論というか反対論というか、国に対する不信感が非常に目立つ結果だったように思う。市長が言う「冷静に受け止めている」という根拠、その背景はどこにあるのか。
(市長)
意見交換会や説明会の中では、厳しいやり取りがあった一方で、理解を示す声もあったと捉えている。それ以外の場面でも、関係する団体の方や、日常的に話す機会のある市民の方と、様々な場面でざっくばらんに話すことがあるが、例えば、PCB処理に室蘭の技術が認められているとの認識を示していただいたり、環境貢献はいいことじゃないか、あるいは、これまでも大きな事故なくリスクマネジメントをして十数年間やってきたのであり特に心配ない、というような意見を伺うこともある。いずれにしても、総合的な判断をした中で、まさにこの6月議会を中心として、どのように答えるのか、というところになると思う。
(記者)
条件面について、平成26年に示した中で、一つだけ、建物の有効活用が環境省側からすると厳しいという認識が示されたが、今回の新たな条件提示の場合は、その部分は削除して別個考えるということか。
(市長)
私も、平成26年当時の環境大臣に受入れ条件を付して回答をした場面を鮮明に覚えている。当時は、プラズマ溶融炉という極めて高い技術、クオリティの高い設備を有することから、高濃度PCB処理事業終了後も活用することで、様々な環境貢献ができるのではないかという考え方のもと、プラズマ溶融炉あるいは施設の活用について示させていただいた。
この間、環境省でも活用の可能性について様々な角度から検討していただいたが、その結果難しいという判断であり、それは私どもとしても理解している。ただ、今回も、高濃度PCB廃棄物処理事業が終わった後も、そこで培われてきた技術を地域の今後の産業にも、と環境省に話しており、昨日も話があったが、例えば、資源循環型産業の誘致などにつなげて、社会課題に我がまちとして引き続き貢献できるような産業振興、産業誘致を、というところを話させていただいている。
(記者)
JESCO北海道事業所が室蘭に立地されてから、どれくらいの財政支援を受けたと言えるのか。一般市民にはあまり見えないように思うが、どれくらいの国の予算が投入されたという捉え方が出来るのか。
(市長)
よくお尋ねいただくところだが、数値化が難しく明確にお答えできない部分。PCB処理事業を担ってきた中で大きかったのは、環境に対する市民意識の醸成が高まったところ。その背景には、例えば白鳥大橋のLED化のように、知らず知らずのうちに環境貢献につながっていて、それが今例えば白鳥大橋のライトアップのような観光資源にもつながっており、また環境科学館の整備についても、色々と予算をいただいている中で、箱ものにいくら入ったのか等を気にする方もいるが、私は、学びの場において、こどもたち、あるいは最近では大人の科学教室があるように、市民の環境に対する、あるいはものづくりに対する意識の醸成があることが、今後のまちづくりにつながると思っている。実際に雇用されている方も、二百数十名の方が十数年間おられ、なかなか、全てを数値化することは難しいが、ただ、果たしている役割はいろんな意味で大きいと感じている。
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