室蘭市は、専門家の名前をはじめは伏せていました。
今後の研究に支障が出るからとのことでしたが・・・(12/10民生常任委員会で)
http://www.city.muroran.lg.jp/main/org3300/pcb_hukusima.html
↑こちらから転載です。
福島県対策地域内高濃度PCB廃棄物の処理について
令和3年12月23日
福島県内の高濃度PCB廃棄物は、国の処理基本計画に基づき、室蘭市にある中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)の北海道事業所で処理が進められてきたところですが、原発事故の発生に伴い、福島県の一部地域が、法に基づき「汚染廃棄物対策地域」として指定され、PCB廃棄物をはじめ、同地域内の廃棄物の処分等については、国の責任のもと行うこととされました。
その処分等にあたっては、法に基づく基本方針において、現行の廃棄物処理法に基づく処理体制や施設等を可能な範囲で積極的に活用し、処理を進めていくことが重要とされていることから、令和3年3月、国から、放射性物質による影響がないことが確認できた高濃度PCB廃棄物を北海道事業所で処理する方針が示されました。
この度、室蘭市は、処理を進めることに理解を求める国からの申し入れに対し、国が示す処理方針を妥当と認め、国に伝えました。
本市としては、こうした考えに至った経緯や対応状況などについて、広くお知らせするとともに、引き続き、地域住民の皆様の安全・安心の確保につとめてまります。
1.これまでの経緯
3月24日 | 監視円卓会議(第51回)(処理方針説明) |
3月31日 | 室蘭市議会民生常任委員会(上記円卓会議における処理方針を説明) |
4月14日 | 室蘭市長が環境省に丁寧な説明を申し入れ(北海道の環境局長も同行) |
7月13日 | 監視円卓会議(第52回)(安全対策の説明) |
7月20日 | 住民説明会1回目(処理方針・安全対策の説明) |
7月27日 | 室蘭市議会議員協議会(環境省による処理方針・安全対策の説明) |
8月2日 | 環境省ホームページでの意見募集(パブリックコメント)9月17日までの期間 |
10月29日 | 監視円卓会議(第53回)(安全対策の説明) |
11月2日、3日 | 住民説明会2.3回目(処理方針・安全対策の説明) |
11月11日、12日 | 室蘭市が北海道及び有識者とともに現地の保管状況等について調査 |
11月22日 | 環境省が室蘭市へ申し入れ |
11月30日 | 室蘭市議会民生常任委員会(監視円卓会議及び住民説明会並びに現地調査の結果を報告) |
12月7日 | 環境省が北海道へ申し入れ |
12月8日 | 北海道による有識者からの意見聴取終了 |
12月10日 | 室蘭市議会において、市長が受入を判断 |
12月14日 | 道議会において、知事が、国の処理方針を妥当なものと認める旨答弁 |
12月22日 | 環境省に対し、北海道とともに、処理にあたって対応を求める事項を申し入れ |
2.住民説明会の概要(環境省主催)
環境省は、福島県対策地域内の高濃度PCB廃棄物の処理方針の下で実施する安全対策について説明するとともに、住民の皆様の疑問点や不安に感じている部分についてお答えするためとして、令和3年7月20日、11月2日、11月3日の3回、住民説明会を実施しました。参加者は延べ176名でした。
3.監視円卓会議の状況
「監視円卓会議」とは
正式名称は「北海道PCB廃棄物処理事業監視円卓会議」といいます。中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)が室蘭市において行うPCB廃棄物の処理事業を監視し、広く道民の皆様へ情報提供するため、北海道と室蘭市が協力して平成17年に設置しました。令和3年11月末現在、委員は学識者3名、各種団体代表7名、公募4名の計14名となっています。
(1)第51回監視円卓会議
環境省が初めて福島県対策地域内の高濃度PCB廃棄物の処理方針を説明
【主な意見】
- 原発のものは含まれていないのか。
- 処理残渣の扱いについて整理が必要。
- 室蘭の技術が生かされることは良いこと。
- 検査・運搬・処理方法などを明確にし、住民への説明が必要。など
(2)第52回監視円卓会議
環境省が安全策について説明。多くの質問・意見が出され、予定時間を超過したため、次回に持ち越し
【主な意見】
- 室蘭の施設で処理する法的根拠は。
- 放射性物質の付着量はどのくらいか。
- 室蘭における処理技術により、福島の復興に貢献したい。
- 現在の保管状況はどうなっているのか。など
(3)第53回監視円卓会議
質疑応答後、委員一人ひとりが意見を述べ、座長が「北海道と室蘭市はこれらの意見を十分参考にしていただきたい。監視円卓会議は、今後も国等から報告いただきながら注視していく」として終了。
【主な意見】
- PCB事業開始の時も、多くの人が不安に感じたが、リスクコミュニケーションにより乗り越えられた。今回も安全対策をしっかり行えば、室蘭の技術が福島復興のよりどころになる。
- 運搬や処理に係わる基準を遵守し、早急に処理していくべき。福島への側面からの支援になる。
- 放射性物質に汚染されたものを移動させて処理すべきではない。
- 安全安心に進めていくことが重要。取り扱う作業員への周知をしっかりと。安全性について第三者の意見もあるとよい。
- 福島を助けたい。役所、政府を信頼するかどうかの問題。
- 現地保管の状態が心配。室蘭の施設の信頼性をさらに高めていくとに期待しているので努力してほしい。専門家により現地の確認が必要。
- 処理をしないという方法も検討した方がよい。
4.パブリックコメントの結果(環境省が実施)
環境省は福島県対策地域内の高濃度PCB廃棄物の処理方針について、広く国民の皆様からのご意見を募集するため、令和3年8月2日から同年9月17日までの間、意見の募集(パブリックコメント)を行いました。
意見提出数はメール66通、郵送6通の計72通でした。
5.現地確認
本市は、令和3年11月11日から11月12日、北海道及び有識者とともに職員を現地に派遣し、処理対象物の保管状況等について現地確認を行いました。現地では、仮置場3カ所に保管されているコンデンサ21台、安定器329台について、目視で保管状況を確認するとともに、一部の機器を抽出し、放射性物質による汚染状況を確認するため、表面汚染密度を測定したほか、処理対象物と保管記録を突合するなどして、その使用場所等を確認しました。その結果、仮置場における処理対象物は、プレハブ等の屋内で、PCBが飛散・流出しないよう漏洩防止措置がとられており、すべて適切に保管されていること、表面汚染密度の測定結果は、国の結果と同程度であり、放射性物質による影響がないことを確認するための目安としている、1㎠あたり4ベクレルを下回っていること、処理対象物には、福島第一原子力発電所内のものは含まれていないことなどについて確認しました。
6.有識者からの意見聴取
本市は北海道と連携し、国の示す安全対策に基づき処理する場合に、放射性物質による影響などについて確認するため、放射線科学や廃棄物の処理に関する有識者の方々に、処理方針や現地の状況を確認いただき、科学的見地からご意見を伺いました。有識者からは、対策地域からの搬出に当たっては、放射線管理区域からの物品の持ち出し基準を準用し、「表面汚染密度が1㎠あたり4ベクレル以下」であることを確認したもののみとしていることは、妥当と考えられること、公衆への被ばくのリスク評価に関しては、空間線量率と排気中の放射能濃度が、国の示す基準値内であることが確認出来た場合は、住民への外部被ばく及び内部被ばくの影響はないと考えられること、空間線量率や排気中の放射能濃度の監視体制、JESCO北海道事業所の排気設備の処理能力についても適切であるといった見解が示されました。また、JESCO北海道事業所での処理作業にあたっては、放射性物質に対応する特別な設備の必要はないが、作業中は個人線量計を装備させ、測定データを公表することが重要であるとのご意見をいただきました。
(1)ご意見をいただいた有識者及びご意見の項目
北海道大学大学院医理工学院長
北海道大学アイソトープ総合センター教授 久下 裕司 氏
【ご意見の項目】
- 「公衆への外部被ばく及び内部被ばくのリスクについて」及び「処理対象物の汚染評価として、表面汚染密度を4ベクレル/㎠以下とすることについて」
- 処理対象物の汚染状況及びJESCO北海道事業所における作業環境を踏まえた作業員の放射線影響評価について
室蘭工業大学大学院
もの創造系領域社会基盤ユニット准教授 吉田 英樹 氏
【ご意見の項目】
- 処理対象物の現地における保管状況について
- 処理対象物をJESCO北海道事業所で処理する方法の妥当性について
(2)意見聴取の経緯など
11月9日 | 有識者2名に意見聴取を依頼し、国の処理方針等を説明 |
11月11日~12日 | 有識者(吉田英樹氏)による現地視察(福島県対策地域) |
11月26日 | 有識者(久下裕司氏)による現地視察(JESCO北海道事業所) |
12月3日 | 吉田英樹氏から意見聴取※WEB |
12月8日 | 久下裕司氏から意見聴取※WEB |
7.国からの申し入れ
令和3年11月22日、環境省から本市に対し、地元の皆様に可能な限り丁寧な説明を行うことができたとして、放射性物質による影響を与えることなく安全に処理を進めることに理解を求める申し入れがありました。
(北海道には同年12月7日に申し入れ)
8.判断の考え方
本市は、国による地元住民の皆様への説明やパブリックコメントの実施、本市と北海道が実施した職員や有識者による現地確認の結果に加え、処理の安全性などに関する有識者からのご意見などを総合的に検討した結果、国による十分な安全性の確保とともに、モニタリングや情報公開が適切に行われることを前提として、この度の放射性物質による影響がないことを確認できたものを処理する方針については、妥当と認め、国に伝えていくこととしました。
また、今後の処理にあたっては、国の安全対策に加え、本市としても、北海道が行う環境モニタリングへの協力など、住民の皆様の安全や安心が確保されるよう、しっかりと取り組んでまいります。
9.国への回答
本市は、北海道とともに令和3年12月22日、環境省からの申し入れに対し、さきに示された処理方針における安全対策・情報公開等を確実に実施するとともに、次の事項について対応することを求めました。
- 事業実施時において、北海道及び室蘭市が必要と認めるときは、立会・調査等に全面的に協力すること。
- JESCO北海道事業所で処理作業に従事する職員には、個人線量計を装着させ、その測定結果を公表すること。
- 事業実施時において、事故や異常が発生した場合の対応計画を事前に策定し、公表すること。
- 事業実施時及び処理後物の搬出後の一定期間において、空間線量率等のモニタリングを行い、速やかに公表すること。
- 放射性物質汚染対処特措法に基づく廃棄物について、放射性物質による影響がないことが確認された高濃度PCB廃棄物以外は持ち込まないこと、かつ、処理対象物に東京電力福島第一原子力発電所内で発生したものは含まれないことを確認すること。
環境省からは、これらの事項を確実に履行するとともに、処理方針に従い、地元の生活環境保全に影響を及ぼすことがないよう安全に処理を進める旨の回答がありました。
10.en(えん)とーくなどの活用について
この度、本市では福島県対策地域内の高濃度PCB廃棄物の処理について、放射性物質による影響がないことを確認できたものを処理するとした国の方針について、国による十分な安全性の確保とともに、適切な情報公開が確実に行われることなどを前提に、妥当と判断し、その旨を国に伝えました。
本市としては、今回、こうした考えに至った経緯や対応状況などについて、本ホームページで広くお知らせしているところですが、今後、これらに関して、市長との意見交換や、補足の説明等を希望される方々に対しましては、「en(えん)とーく」や「まちづくり出前講座」等の制度を活用する中で、住民理解をさらに深めていきたいと考えておりますので、お申し込み等については、下記までお問い合わせいただきますようお願いいたします。
お問い合わせ
生活環境部環境課環境係
住所:〒051-8511 室蘭市幸町1番2号
電話:0143-23-2225 ファクス:0143-22-7148
Eメール:kankyou@city.muroran.lg.jp