<原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会>通信No49
環境省再説明会終了~反対意見が圧倒的多数「放射性物質汚染対処特措法」適用は罠だ!
会員および賛同者のみなさまへ
(通常は会員、賛同者向けの通信です。一部公開します)
放射能つきPCBを室蘭にて搬入処理する計画に関して、環境省による2回目の住民説明会が11月2日夜と3日午後に行われました。「通信」を受け取られる会員・賛同者の方々にも、参加くださった方が多数いらっしゃいました。まずは、「お疲れ様でした・ご参加ありがとうございました」と申し上げます。
参加者は11/2が約40名、3日は約50名で、合計すると7月の第1回説明会と同じ90名ほど。2回に分けたので、質問は前回よりも少し多くできました。とは言え、どの質問者も「まだまだあるけれど、次の人がいるので」とか、途中でファシリテーターより「そろそろ次の人へ」と、言われるような状況で、まだまだ質問時間が足りないと感じました。
質疑応答を仕切ったのは、前回同様ファシリテーター役の船水尚行さん(室蘭工業大学副学長)。前回はとても厳しく制限されて、重苦しい雰囲気だったことを覚えています。会員の方からメールで、「ファシリテーターに問題がある」との指摘もありました。それで今回、事務局メンバーは、質疑応答が始まる冒頭で、勇気を出して船水さんに「過度な制限をしないでほしい。コロナ対策はわかるが、これは議会傍聴などとは違い、市民が主体の説明会なのだからetc」と、意見を述べました。結果、拍手や小声の私語などはOKになりました(^^)/
*小さな拍手でも、それは質問者を励まし、座席では連帯感が増幅されることを実感しました。
さて、今回の大問題は、環境省が正式に、福島県対策地域内から搬入されるPCB廃棄物に「放射性物質汚染対処特措法」を適用する としたことです。
この法律は、「原発事故によって生じた8000ベクレル/kg以下の放射能汚染ゴミは、通常のゴミと同様に処分することができる」とするものです。
現在、室蘭市で処理が行われようとしているPCB付着放射性物質は、そこまで放射能が高いわけではありません。(環境省は放射性物質の濃度や総量、核種は明らかにせず、持ち出し基準である4ベクレル/cm2を満たしていると説明)しかし、この法律の運用実績を作ることは、全国でこの法律を運用するための一歩となります。(環境省は8000Bq/kg以下の廃棄物を、全国で使いたいという強い意向を持っているが、反対も強くてできていないのが現状)
つまり、8000ベクレル/kg以下の放射性廃棄物・汚染土壌等を全国に拡散される可能性を開くものです。室蘭市だけの問題にとどまりません。
原子炉等規制法では、原発敷地内から発生したものに限らず、すべての100ベクレル/kg以上の廃棄物は、厳重に保管・処分されることが決められています。
8000ベクレル/kgというのは、100ベクレル/kg という規制法の基準値の80倍!
この基準を、福島原発事故による放射能の影響を受けなかった地域にまで、しかも事故後10年以上経過してから適用することは、法の乱用であり断じて許されるものではありません。
そもそもこの「放射性物質汚染対処特措法」とは、福島原発事故により大量の放射性物質が放出され、原発周辺と福島県やその近県に放射性物質が降り注ぎ、原子炉等規制法に依っては手に負えない状況であったために作られた臨時措置的な法律なのです。
従来のPCB処理事業の名を騙(かた)って「原発事故由来の放射能ゴミ」を福島汚染対策地域から持ち出し、非汚染地域である室蘭に搬入・処理をする。また、その根拠として「放射性物質汚染対処特措法」を適用されることは、なんとしても避けなければならないとの思いです。全国のみなさんの声が必要です。
今回の説明会で配布された資料は2点。いずれも環境省のHPに上がっています。
(修正後)福島県対策地域内の高濃度PCB廃棄物の処理について (env.go.jp)
★6Pに注目ください
御意見及び御意見に対する回答について (env.go.jp)
★パブコメの結果とその回答
PS. ウォッチャーズブログですが、担当者が入院中のため、なかなか更新できない状況です。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
ウォッチャーズブログ https://hairokinzokuwatchers.blogspot.com/
saiensuki@frontier.hokudai.ac.jp 柳田D(メール担当) (2021/11/07)