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2022/05/28

■重要【福島PCB】道新胆振版(2022.5.27)「室蘭での福島PCB処理8月中に終了へ 蓄電器30台、安定器など1500台、2週間かけて無害化」

室蘭での福島PCB処理8月中に終了へ 蓄電器30台、安定器など1500台 2週間かけ無害化


 東京電力福島第1原発周辺地域の高濃度ポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物を室蘭市内の施設に持ち込む環境省の計画について、無害化処理は8月中に終了する見通しであることが、関係者への取材で分かった。搬入予定のPCB廃棄物は、コンデンサー約30台、安定器など約1500台を8月上旬に持ち込み、約2週間で処理するという。

 6月1日に室蘭市内で予定している円卓会議で環境省が具体的な計画を公表するとみられる。

 関係者によると、環境省は8月上旬、室蘭市の中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)北海道PCB処理事業所へ廃棄物を搬入し、8月中旬に約2週間ほどかけて無害化処理を行う。廃棄物は処理後、再び福島の対策地域へ戻すという

 PCB廃棄物の搬入は、トラックとJR貨物を使って行う予定。JR貨物のコンテナに積んで青函トンネルを通り、東室蘭貨物駅ターミナルでトラックに積み替え、処理施設に運ばれるとみられる。

 環境省の関係者は「地元の意向が第一。日程ありきではなく、もし何か新たな説明や対応が必要であれば日程を遅らせることもあ」としている。

 環境省は昨年3月、JESCOで福島県のPCB廃棄物を処理する計画を公表した。2度の住民説明会を開いたほか、パブリックコメント(意見公募)を実施するなど、住民に理解を求めてきた。

 室蘭市と道は昨年11月、福島県で現地視察を行い、放射線の影響などについて調査。この結果を受け、道と室蘭市は同12月、空間線量率のモニタリングや事業実施時の立ち会い調査への協力などを条件に受け入れに応じた。

 一方、室蘭の一部市民団体は環境省の計画を道と室蘭市が受け入れたことに反発し、撤回を求めている。(伊藤空那、古田裕之)