2021/05/25

■【放射能汚染PCB】北海道新聞 水曜討論(2021.5.19)特集記事

 2021.5.19の北海道新聞記事「水曜討論」にて、「福島汚染対策地域からのPCB廃棄物を室蘭で処理する計画」が一面を使って大きく取り上げられました。

 室蘭工業大学の吉田英樹さんと愛知大学のジョン・ジユンさんが、専門家の視点で評論したものです。この記事を、ウォッチャーズ事務局の視点でシンプルに解読した文章も載せておきます。






~ここから、ウォッチャーズの視点~

【ジョン・ジユンさんの評論について】

この問題は、放射能汚染されたPCB持ち込みという、地域が環境汚染のリスクを背負う問題である。 

・国は一方的に地域に押し付けて、問題解決を進めようとしている。

・今回の室蘭市の姿勢は、国との一体化である。室蘭市は住民と向き合うことこそが重要で、室蘭市の第一の使命は住民の生命と安全を守ることである。

市民が不安を感じているのに、市は、環境省に説明責任を求めるだけでいいのか。

・環境省は「室蘭市と信頼関係がある」というが、青山市長は市民との信頼関係を構築できているのか。

・室蘭市は、これまでのPCB処理で補助金をもらっているからといって、国に忖度するべきではなく、国に対し言うべきことは言わねばならない。今回の放射能汚染PCB処理は、法的な備えも十分でなく、もっと慎重になるべきである。

室蘭市は市民に対する情報公開と説明責任を果たし、市民と十分話し合い、市議会での議論もした上で、この問題についての合意形成を図るべきである。室蘭市の自治能力が試される。

 

【吉田英樹さんの評論について】

この記事に関して、賛同者である放射線専門家の方が意見を送ってくれました。

・吉田さんは受け入れOKのような感じで発言されている。

・住民の不安や疑問を解消する例として『医療で使うCTを受けたときの放射線量との比較など』とあるが、これはよいとは言えない。

メリットがあり避けられる被ばく(CT検査)と、避けられない環境汚染に伴う被害を比較するのは、推進側の常套手段である。

かなり行政側にシフトしている感じがする。

ここからはウォッチャーズ見解です。

雇用」のことを述べているが、そもそもPCBを室蘭が受け入れることになった時から、PCB処理がいずれ終了することはわかっていた。当初の予定を超えて他地域のPCBも引き受けたので、市は雇用について考える猶予期間もたっぷりあったはず。雇用問題は、市が最初から考えておかねばならないことであり、これを放射能つきPCB受け入れの理由にされてはたまらないこんなことがまかり通るのであれば、この次に何が来るのか!?、そら恐ろしさを覚える。

~ここまで~