<原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会>通信No31
放射能つきPCB・その先の懸念
会員および賛同者のみなさまへ(今回のみ不特定多数へ拡散)
環境省が、福島原発事故によって「(放射能)汚染廃棄物対策地域」に指定された市町村から出たPCB廃棄物を室蘭市にあるJESCOの施設で処理するという計画を、発表しました。2021年3月24日夕方のNHKニュースで突然報じられ、翌日には北海道新聞の第一面に掲載されました。
今回の問題は、PCB処理ではなくて、「放射能に汚染された廃棄物処理の問題」であるととらえています。ですので、廃炉金属ではないが、取り組まなければならないと考えます。
この「放射能汚染PCBの受け入れ」は、それだけに限れば、大した放射能の量ではないという考えの方もいらっしゃると思いますが(私たちはそうは思わないけど)、この裏には、今後『室蘭において放射能汚染廃棄物を受け入れていくという筋書き』があるのではないかと懸念しています。まずは、「クリアランス金属」と称する「放射能入り廃炉金属」を搬入加工して室蘭環境中に放射性物質を放出した。次は、放射能汚染されたPCBの受け入れによって、室蘭JESCOの「放射性廃棄物の処理実績」を作る。実績ができればしめたもの。ここぞとばかりに、放射能汚染廃棄物は室蘭で(各地のJESCO事業所も?)引き受けることにされてしまう。
JESCOは福島において除染した土などの中間貯蔵事業も行っています。
PCBの次は何? https://www.jesconet.co.jp/
中間貯蔵されている除染土は、セシウム137で10万Bq/kgを超えるものと決められています。クリアランス金属は、同100Bq/kg以下が基準なので、1000倍以上の濃さです。
そして、2025年から2044年までに福島県外で最終処分を完了することになっています。
原子炉等規制法が及ばない施設に総量規制もないまま受け入れることになり、まさに「小さな原子炉」が室蘭に作られるということになりはしないかと懸念します。
ですから、その引き金となる「放射能つきPCB廃棄物」を受け入れてはならないのです。
環境省もJESCOも「何も決まっていない」と言うでしょう。市会議員や市長も「決まっていないものを憶測だけでは何もできない」と言うでしょう。原発廃炉金属の件で、さんざん聞かされている言葉です。さて、私たちはどうしたらいいのでしょうか?
この件、北海道新聞が熱心に追いかけてくれています。廃炉金属ウォッチャーズも取材を受けています。ブログに記事をあげておきました。よろしくご覧ください。
PS. 室蘭周辺にお住いのみなさんには、お力添えをお願いすることがあるかと思います。
その際は、よろしくお願いいたします。
ウォッチャーズブログ https://hairokinzokuwatchers.blogspot.com/
柳田E(メール担当) saiensuki@frontier.hokudai.ac.jp
(2021/04/13)
※PDFで貼れなくてすみません。メールをいただければ送付できます。