2021/04/27

■【放射能汚染PCB・声明】福島汚染廃棄物管理区域からの「放射能つきPCB」受け入れ計画についての声明(新聞記事あり)

 ▼廃炉金属ウォッチャーズは、以下の声明を 2021.4.22に室蘭市の市長、全議員、経済部、環境課、報道あてに提出しました。

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2021 年 4 月 22日 

福島汚染廃棄物管理区域からの「放射能つきPCB」 受け入れ計画についての声明

 原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会 

共同代表 池 弘美

 共同代表 椿 曜子 

共同代表 大倉幸子 


環境省は、「福島原発事故によって『汚染廃棄物対策地域』に指定された福島県内市町村から出たPCB 廃棄物を、北海道室蘭市内にあるJESCO北海道事業所に搬入し、処理する」という計画を発表しました。

 室蘭には、2016 年、ほとんどの住民が知らないうちに、東海廃炉原発由来の放射性物質が「クリアランス 金属の加工再利用実証実験」という名目で持ち込まれ、「今後は、事業としてこれを進める」という方針が、 当該企業から示されています。そんな中での、「PCB 処理に名を借りた放射能ゴミ」のさらなる持ち込み計画です。

総量規制もないまま、次々と放射性物質が室蘭に運び込まれることに、私たち地域住民は、大き な不安と疑問を持ちます。 また、PCB 処理について「平成17年11月7日に交わされた協定書」には「放射能に汚染されたものを処理すること」への言及は一切ありません。約束にない事業の受け入れを強いら れることに、住民としては全く納得できません。

 この計画の背後には、「今後、室蘭が放射能汚染廃棄物を受け入れていく」という筋書きがあるのではないかと懸念します。放射能汚染されたPCBの受け入れにより、室蘭のJESCOは「放射性廃棄物の処理実績」を作る。その実績によって、JESCOは「放射能汚染廃棄物を扱った経験がある」と認定される。 そして、室蘭で、あるいは全国のJESCOで、放射能汚染廃棄物は処理されていく。

 JESCOは福島において除染した土などの「中間貯蔵事業」も行っています。https://www.jesconet.co.jp/ 

 中間貯蔵されている除染土は、セシウム137で10万Bq/kgを超えるものと決められています。クリアランス金属は、同100Bq/kg以下が基準なので、1000倍以上の濃さです。そして、2025年から2044年までに福島県外で最終処分を完了することになっています。

 原子炉等規制法が及ばない施設に、総量規制もないまま受け入れることになり、まさに放射能にまみれた大地・海・水・大気が、室蘭・北海道・全国各地から、排出され続けることになりはしないかと懸念します。 

室蘭への放射能ゴミ持ち込みは、北海道の沿岸地域に、次々、既成事実として放射能ゴミを搬入すると いうことに繋がります。やがては、道内全域への放射能ゴミばら撒きに道を開くものです。この計画受け入れは、昨今の幌延・寿都・神恵内の問題とも相まって、「放射能ゴミは受け入れ難い」とする北海道条例に違反し、これを形骸化することでもあります。

 よって、 私たちは、室蘭市が放射能つき PCB を受け入れることに反対し、この計画の中止を求めます。



▼北海道新聞(2021.4.23)